著者が元コピーライターで、わたしも受講した「宣伝会議」の先輩だったとは!
読んでいてなぜか不思議に親近感わくなぁと思ってたら
知らなかったとはいえそれも理由だったのかもしれない。
'80年代初頭、確かにあの頃日本の広告業界はかっこよく見えた。
(わたしが宣伝会議を受講するのは80年代半ば)
もうすっかり忘れていたけど、あの頃まだFAXがなかったというのには驚き!
乃木坂のおしゃれなマンションに事務所を構える売れっ子コピーライターの
オフィスにすらFAXがなくて、見習いだった著者が生原稿などを届けに行っていたとは。
他の作品にも繰り返し出てくるが
父親の借金による実家の夜逃げ、一家離散にまつわるエピソードは
悲惨で泣かせる話なのに、超越しきった乾いたユーモアがあっていい。
自身や血縁にまつわるネタをここまで客観視でき、
共感と感動を覚える話にできる才能はすごい。
('04 9 25)