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anego/  林 真理子 小学館 ★★★★★

35歳の奈央子は一流商社OL。美人で頭がよく、仕事もできて人望もあり、
友人や後輩たちからしょっちゅう悩みを打ち明けられ相談される。
恋愛経験も人並み以上にあり、その気になれば結婚なんか簡単にできると思っていた。
ところが、同期の女子たちが社内結婚で商社マンの妻となったり、
見合いや恋愛でエリートと呼ばれる男と結婚したというのに、奈央子を含む何人かは
「社内の男をつかまえることも外の男と結婚することもできない女」という汚名をかぶっている。
合コン、お持ち帰り、不倫、年下の男、セックスフレンド、見合い・・・都会で働く女なら
誰もがひとつやふたつは思い当たる恋愛パターンや共感を誘う心理描写はさすが。
恋愛、仕事、結婚をめぐる女の葛藤を書かせたら著者の右に出る者はいないのでは。
-世の中には人生を実にうまく使いこなしている女がいる。
仕事を続けるかどうか、 などということは最初からまったく視野に入れていない。
髪を振り乱して仕事と家庭を両立させるより、
もっと楽しく有意義な生活が待っていると信じているからである。習い事をする、
インテリアやガーデニングに凝る、子供が生まれたら母親であることを存分に味わう。
子供を有名校に入れた後の母親同士の社交生活も華やいだ日常をもたらすはずだ-

こういう一文を読むと「あ~あ、こういう生き方もあることになんで気付かなかったかなぁ」
と自分のバカさ、不器用さを悔やむ。(子供はいらないけど)
by gloriaxx | 2004-09-28 21:50 | 評価 ★5


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