木曜組曲 恩田 陸 徳間書店 ★★★

 耽美派女流作家、重松時子が突然亡くなってから4年。
彼女と縁の深かった5人の女たちは毎年、時子を偲ぶ三日間の宴を催していた。
今年もいつものようにおいしい料理と酒、会話を楽しむ和やかな会になるはずだったが、
誰が時子を殺したか、お互いの腹を探りあい、告白しあう夜になっていく。

 5人の女たちの個性がくっきりとしていて、会話もリアルでテンポよく読める。
純文学作家、エンターテイメント作家、ノンフィクションライター、老舗出版社の編集者、
編集プロダクション社長とそれぞれのポジションやバックグラウンド、
仕事内容の違いによる心理描写も説得力あり。
また、5人の女たち全員が酒が強く、飲み食いするシーンが魅力的。
たぶん著者も酒飲みなのだろう。

時子は死後もファンの心を捉え、5人の女たちも魔力というほどの強い力で
彼女に惹きつけられ、影響を受けているという設定なのに、
そこまでの魅力を感じなかったのが残念。
篠田節子「第4の神話」、有吉佐和子「悪女について」は既に死んだ女を描いて
鮮やかな存在感と強い印象を残しているので、つい比較してしまった。
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by gloriaxx | 2004-10-11 22:22 | ★3


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