カテゴリ:★2( 15 )

迷宮 清水義範 集英社 ★★

記憶喪失である一人称の語り手が「治療」と称して、
ある猟奇的殺人に関する記録類を次々に読まされる。

語り手とそれを読ませる謎の人物が誰であるかすぐにわかってしまうので、
その上で「あっ」と驚くどんでん返しがあるのかと思って読み進んだが、期待はずれだった。
素材や構成にも目新しさがないし、中盤までは勢いがあって一気に読ませるのに
終息にさしかかって急にパワーダウンし、ボヤけた印象になる。
身近な人物の証言によって被害者のキャラクターが明らかになっていくあたりは
比較的人物描写が生き生きしていておもしろかった。
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by gloriaxx | 2004-11-04 18:14 | ★2

愛はプライドより強く 辻 仁成 幻冬舎 ★★

人生や愛に対する悲観的、倦怠的な視点が強くてしんどかった。
ところどころとても共感する表現はあるのだが・・・
いくつか著書を読んだ上で、ひょっとすると著者はセックスに対して
心のどこかで罪悪感や嫌悪感を持っているのかな?とふと感じた。
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by gloriaxx | 2004-11-03 13:53 | ★2

13のエロチカ 坂東眞砂子 角川書店 ★★

読んだことはないけど「死国」「狗神」などおどろおどろしい作品で有名な著者なのに、
こういうテイストの作品もあるのかと興味がわいたのだが・・・
エロスの表現にはいろいろあるけれど、この人のは即物的すぎて生々しくて嫌悪感を強く感じた。
情緒がなくがさつな女って印象。
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by gloriaxx | 2004-11-03 13:47 | ★2

セックスとニューヨーク キャンディス・ブシュネル/古屋美登里 ★★

大好きなアメリカのTVドラマ「SEX IN THE CITY」の原作なので
わざわざアマゾンで取り寄せてまで読んだのにがっくり・・・
ぜ~んぜんおもしろくないし、何が言いたいのかわからないし・・・

アメリカ人じゃないからピンとこないのかとも思ったが、
ドラマは国や人種を超えて普遍的に共感できる作りになっているのでそうでもなさそう。
翻訳もよくないのかも・・・とにかく期待はずれだった。
この原作をあれだけの名ドラマに仕上げたスタッフたちの才能にあらためて感服。
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by gloriaxx | 2004-11-03 13:43 | ★2

黒い玉 トーマス・オーウェン/加藤尚宏 東京創元社 ★★

ロアルド・ダールっぽい味を期待したのに・・・この退屈さは時代的なズレのせいか?
「旅の男」「染み」はちょっと性倒錯的な味わいがある。
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by gloriaxx | 2004-11-03 13:36 | ★2

対話篇 金城一紀 講談社 ★★

子供の頃から身近な人間が次々に死んでいくので「死神」と呼ばれ、他人との接触を避けて
孤独な人生を送る大学の同級生との短い交流を描いた「恋愛小説」

がんで入院し、短い余命を悟った主人公にはどうしても殺したい相手がいた。
彼を突然見舞った同級生Kがその殺人依頼をあっさり承諾する「永遠の円環」

動脈瘤の発作で倒れ、銀行を辞めた主人公のもとに不思議なアルバイト話がもちこまれる。
それは冤罪事件で勝訴した老弁護士と車に同乗して東京から鹿児島まで行くというものだった。
老弁護士と別れた妻の思い出を聞き、
旅をまっとうした主人公には生きる希望が戻ってくる「花」の3編。

これは著者の試行錯誤?過渡期?いかにも純文学である。
特に「永遠の円環」の友人の名前がKとは・・・教科書で読んだ夏目漱石を思いだした。
3編とも「死への恐怖と生き続けることへの虚しさ」が重苦しく漂っている。
「花」はまだ救いのある結末だが、あまりにも予定調和というか、
感動的であるはずのエピソードの数々も使い古された印象で
「なんで今さらこんな話を・・・」という感じ。
いろいろと込められた作品集なのだと思うが、私にはよさがわからなかった。
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by gloriaxx | 2004-10-12 17:42 | ★2

僕が妻を殴るなんて DV加害者が語る 吉廣紀代子 青木出版 ★★

ドメスティック・バイオレンス、自分自身には今までまったく無縁の世界だったし、
おそらくこれからも無縁だろう。
「私が男に殴られるなんてありえない」と自信を持って言い切れるこの感覚は
赤道直下に住む人が凍死の心配をしないのと同じようなもので、
「男に殴られる」という発想そのものがないのだ。理由は謎だが、
男に殴られたことのある女性は往々にして別の男とつきあっても殴られるらしい。
知人に何人かDVの被害者がいたからか、私はDV問題に関心が高いほうで
関連書やTVの特集番組はチェックするし、その手の事件報道にも注目している。

本書は残念ながら文章そのものが下手すぎ!
内容について単純な事実関係すら理解しにくいほど読みにくかった。
文学作品ではないので仕方ないとはいえ、筆者は一応何冊か著作を出しているプロだし
編集者も付いてるのだから校正段階でもっとチェックを入れて推敲すべき!とイライラした。
今までは被害者サイドからしか問題提起されなかったDVを加害者サイドから語らせた
革新的な本なのに、書物としてきちんと読める水準で出版しないと価値も半減だ。

平成13年「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が成立したが、
調査によると7人に1人の割合で夫から身体的暴力を受けている妻がいるらしい。
夫婦に限らず、男女間の話し合いがスムーズにいかない理由として大脳生理学でも
明らかにされている事実「女性の言語中枢は男性より発達していて、女性は一度に
複数の事柄を考えたり取り組んだりできるが、男性にはそれがたやすくできない」
「女性は感情と知性のバランスをはかりながら対応できるのに対し、男性は脳梁が貧弱
なので知的能力は発達していても感情とのバランスが取りにくい」というのは納得。
男が何かしている時に話しかけると、返事はしているが実はまったく聞いていない
ということがよくある。男は他のことをしている時に話しかけられると、
女が何を言ってるのか何を伝えたいのかほとんど理解できないらしい。
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by gloriaxx | 2004-10-11 23:33 | ★2

血い花 室井佑月 集英社 ★★

男女関係の世界観とか、セックス描写の身も蓋もなくダーティーな言葉遣いとか、
村上龍を思い出して苦手だな~と思ったら、
著者は村上龍が好きだとエッセイに書いていたのを思い出した。
露悪的というのだろうか、読んでいてちょっと辟易するほどしんどくなる。
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by gloriaxx | 2004-10-11 23:29 | ★2

青い色の短編集 片岡義男 中央公論社 ★★

10代の終わりから20歳過ぎくらいまで、この著者の作品にハマっていた時期がある。
あの頃、彼の小説の登場人物の職業環境やライフスタイル、物語の中のシチュエーションは
「現実とはとても思えない大人の世界」と感じたものだ。
常に心の中で憧れと反感を等分に感じながら読んでいたような気がする。
大人になり、とっくに彼の作品からは遠ざかったある日、唐突に思ったことがある。
「今の自分のことを徹底して客観的に、あえて意識的にかっこよく描写したら、
あの頃別世界だと感じていた片岡義男の小説っぽく書くこともできるな」と。
小説の実験的手法としておもしろいかもしれない。
(でも、彼の作品に登場する女性はすべて例外なく、嫌味なほど美人なので、
その点でまず無理があるんだけど)
本書に収められた短編はすべて年上の女性と年下の男性の関係を描いたもので、
実の姉と弟の間に起こる性的関係を描いたものが多い。
自分に弟がいることも関係するのかどうか、 私はごくごく健康的でまっとうな嗜好を持つ
人間なので近親相姦は到底理解も共感もできない。
全細胞が「絶対にありえない!」と拒否反応を起こしてしまう。
それにしてもあいかわらず描写もセリフもかっこつけてて鼻につく。
(なのにどうして読んでしまうのか?)
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by gloriaxx | 2004-10-11 23:15 | ★2

花 / 林 真理子 中央公論新社 ★★

花柳界に生き、私生児を生んだ祖母と母に心を閉ざして
主人公はキャリアウーマンとして生きる。
う~ん、なんで今さらこういう話を書いたのだろう?
女の一生モノとしても既にどこかで読んだような内容だし、
この著者らしい独自の視点や魅力も感じられない。
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by gloriaxx | 2004-10-11 22:45 | ★2