食べるアメリカ人 They Are What They Eat. 加藤裕子 大修館書店 ★★★★★ 

アメリカの食べ物は「まずい」とよく言われる。
でも、わたしの何度かの個人的体験でアメリカでの食事をまずいと思ったことはあまりない。
サンフランシスコ・フィッシャーマンズワーフのクラムチャウダー、
チャイナタウンの中華、リトルイタリーのピッツァ、
スノッブなイタリアンレストランのディナー、庶民的な店のテイクアウトの中華、
妹が住んでいたヘイワードやサンノゼの地元民御用達のタイ、インド、ペルーレストランの料理、
L.Aのファミレスっぽいとんかつ屋、ラスベガスへの道中のドライブインのランチ、
ヨセミテ国立公園の大自然の中で食べたリブステーキやカフェテリア形式の朝食、
スーパーで食材を買って作ったバーベキューやふだんの食事、etc・・・・
旅行中という非日常性がプラスに作用しているかもしれないが、
アメリカの食事は常に「豊かさ」と「ホスピタリティー」に満ち、ダイレクトに幸福な気分にしてくれた。

滞米経験もある著者が多方面からアメリカの食文化を解説。
ファーストフードやインスタント食品の功罪、アメリカの伝統的家庭料理、
移民たちが伝えた郷土料理、ニューヨークに集まる様々なエスニックフード、
アメリカで進化する寿司をはじめとする日本食・・・
著者自身がアメリカでの生活体験を通じてこの国に愛情を抱いていることが
文章の端々に感じられ、いきいきした筆致と描写が魅力的。
しかも単なるアメリカ礼賛ではなく、偏った食生活、飽食の国に広がる貧困層だけでない「餓え」、
厳格なベジタリアンをはじめとする矛盾に満ちた健康おたくなど影の部分にも目を向けている。
わたしの知人が寿司シェフとして働いているL.Aの有名な寿司屋「マツヒサ」、
(今ではN.Yのノブで有名)、ロッキー青木の「ベニハナ」、マーサ・スチュアートなども登場、
リアルタイムなアメリカを感じることができ、とても楽しくかつ勉強になる本。
[PR]
by gloriaxx | 2004-09-20 10:39


<< オリガ・モリソヴナの反語法 米... ルポ「まる子世代」変化する社会... >>