真冬のニューヨーク、7年の刑期で刑務所に収監されるモンティと彼の恋人、
友人たち、父親、それぞれの収監前日の24時間を描く。
主人公モンティに「テルマ&ルイーズ」の頃のブラッド・ピットを思い浮かべながら読んでいたが、
実際の映画化キャストはエドワード・ノートンとか。
本のあとがきにはトビー・マグワイア主演で映画化が決まったと書かれていたが、
これはミスキャストだと思う。マグワイアはむしろジェイコブ役だろう。
そして、わたしの中でノートンはやり手トレーダーのスラッタリーのイメージだった。
N.Yにいるわたしの妹が動物保護センターから引き取った犬を飼っている。
その犬は麻薬ディーラーに飼われ闘犬にされていたピット・ブルで、
前の飼い主に煙草を押し付けられるなどひどく虐待され身体も心もボロボロ、
極度の人間不信だったらしい。
妹はラブラドールかテリアの子犬を引き取るつもりでセンターを訪れたのに、
そのピット・ブルを一目見たとたん強烈な運命と使命感みたいなものを感じたという。
ジュリエット(虐待していたくせに前の飼い主はロマンチックな名前をつけていた)は
妹の愛情と根気強いしつけのおかげで本来の無邪気さを取り戻し、
妹を実の母親のように慕って信頼し、2人(1人と1匹)は強い絆に結ばれて暮らしている。
モンティと愛犬ドイルのエピソードを読んで妹とジュリエットを思い出した。
内容も文体も予想をいい意味で大きく裏切ってくれた作品。
ラストがいい。どういう風に映画化したのかぜひ観てみたい。