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あの夏、ブルー・リヴァーで/BLUE RIVER イーサン・ケイニン 文藝春秋 ★★★★  

カリフォルニア郊外の住宅地にささやかながらプールとパティオがある家を建て、
愛する妻と息子としあわせな日々を送る眼科医のエドワード。
31歳になったある朝、玄関のドアを開けると一人のみすぼらしい男が立っていた。
浮浪者かと思ったその男は15年前に家を出て以来、一度も会っていない兄・ロレンスだった。
兄が突然やってきた目的もわからず、平穏な生活が破壊される不安を感じながら
エドワードはウィスコンシンで過ごした少年時代を回想する。

2000年も前にヘラクレイトス(哲学者?)が言った「性格は運命だ」という言葉がテーマ。
知性があって、愛情ややさしい心を持っているのに、本人には抵抗しがたい大きな力に操られているように<常に問題を起こし、破滅的な人生を送る種類の人がいる。
同じ親から生まれ、同じ環境に育った兄弟がなぜ何十年後ここまで違う人生を送っているのか、
人間は持って生まれた運命から逃れて思い通りの人生を切り開けないのかなど、
生きていくことのハードさについてあらためて考えさせてくれる。
マイケル・ギルモアの「心臓を貫かれて」を思い出させる小説。
by gloriaxx | 2004-09-28 19:02 | ★4


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