アンダーソン家のヨメ/ 野中 柊 福武書店 ★★★

ニューヨーク在住の著者が第10回「海燕」新人文学賞を受賞した「ヨモギ・アイス」と表題作を収録。
著者自身の体験をベースにしていると思われるが、
どちらもアングロサクソン系アメリカ人男性と国際結婚した日本人女性が主人公。
「ヨモギ・アイス」では夫は詩人をめざしながら大学で非常勤講師をし、
「アンダーソン家のヨメ」では妻の両親が国際結婚に難色を示したので夫は大学院を途中でやめて国務省に就職。妻である主人公の方は無職(専業主婦)なのだが、
家事は一切せず昼まで寝るなどグータラなライフスタイル。
そのくせ「アメリカでは男も家事をするのがあたりまえでしょ」
「日本人の妻が黙って夫に仕えると思ったら大間違いよ」と権利だけは主張しまくりのいいご身分。
さらに、自分のアイデンティティが大事だから結婚してもアンダーソンという姓を名乗りたくないという。これに対しては義弟のガールフレンドに
「でも、あなたには姓を変えて困るような仕事もキャリアも別にないんでしょ」と
嫌味ではなくさらっと自然に言われ、本人も自分が何に執着しているのかわからなくなる。
「自分のアイデンティティ云々」という漠然とした理由で夫の姓を名乗りたくないという女性の気持ちはわたしもよくわからない。
だって生まれた時の性だって親から自動的に押し付けられたものじゃ?
それより自分で選んだ結婚相手の姓を名乗る方が、自分自身の「選択」という要素が入ると思うんだけどねぇ・・・
ま、人それぞれだし、こういう問題はあまりつっつくと怖いのでこのへんで・・・
国際結婚問題、複雑な人種問題などが等身大的視線とカジュアルな表現で書かれていて興味深いが、一人称の口語体で、しかも視点が登場人物全員にコロコロ変わるので読みにくいのが難。
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by gloriaxx | 2004-09-30 20:48 | ★3


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