あの9.11から1年以上の年月を経なければ出版できなかったと著者が語っていた。
アフリカ系アメリカ人の父と、イタリア系アメリカ人の母の間に生まれた
男女の双子(高校生)が主人公。
両親は離婚し、息子は父の故郷である南部サウス・カロライナへ、
娘は生まれ育ったN.Yで母と暮らす。
そして2001年9月11日、マンハッタンのWTCに二機の旅客機が突っ込んだ。
世界中を怒りと悲しみに巻き込んだ事件は、双子や周囲の人々の運命も大きく変えていく・・・。
何を題材にしても、この著者の作品は恋愛や男女関係についてのバイブルだ。
大上段に構えたり、小難しい理屈をこねたり、気負ったりせず、
さらっと真理を語るスタイルは実にCOOL!
ほんとにかっこいいとは、難しい言葉を並べたり奇をてらうことじゃないのがよくわかる。
引用したい箇所は枚挙にいとまがないほどである。
本作は恋愛よりも家族間の愛情にウェイトを置いているので、
より普遍的で多くの人の共感を呼ぶのでは。
-相手の弱みが愛を深める動機じゃなくなった。気がついたらただの欠点に見えていた。-
-「セックスって動物的なことじゃないか」
「でも、そこから生まれる感情を知らなかったら人間とは言えないわ」
(中略)ついでに言えば、そのことで傷ついたことのない奴も、私は人間扱いしないのよ」-
-人との関係に永遠なんてあり得ない。もしも永遠を作り出したいと思うなら、
その答えは今にしかない-
-好きな人たちのことはなんでも知りたくて一所懸命だった。
でも、すべてを突き詰めていくこともないんだなぁって。
理解するってことと、すべてを知るってことは違うよね。
私が見たり感じたりするものが、目の前にいる人のすべて。-