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カプチーノをふたつ デヴィッド・アップダイク/山際淳司 集英社 ★★★★

翻訳の文体がすごくいいな~と思って確かめたらやっぱり山際淳司氏だった。
ピューリッツァー賞を二度も受賞した父、ジョンの小説は知っていながら読んだことがない。
息子は「90年代のサリンジャー」と評されている。
(ピーター・キャメロンと同じく山際氏が翻訳し、
作家の存在を日本に紹介したからだろうけど、安易すぎやしないか?)
作者の私小説といってもいい短編集で、赤ん坊時代から幼児期、青春期までの
様々な時代の断片を美しいストーリーにまとめている。
「子供の世界は狭い。子供たちの生活は大人の及ばない不文律で動いており、
いったん友達になってしまえばそこから逃げ出すことはできない」と書かれた
「音と影」という短編に代表されるように、子供というのは大人が思う以上に
自分を取り巻く世界に対して悲観的で、周囲の状況や大人の事情を鋭く観察していて、
子供のくせして人生に疲れていたりする。
まさしくそんな子供だった私は特殊なのかと思っていたが
この著者も私と同じタイプの子供だったようだ。
by gloriaxx | 2004-10-11 23:18 | ★4


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