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池袋ウエストゲートパークⅢ 骨音 石田衣良 文藝春秋 ★★★★

暴力、ドラッグ、売春、暴力団とストリートギャングの抗争という殺伐とした世界を描いても
この著者の作品には知性とロマン、そして救いがあってよい。
根本的にとても健全で常識的な人なのだろう、
文章には著者の人間性が否応なく表れることの見本のような作風だといつも思う。
主人公・真島誠はデビュー作より数段魅力的な男に成長している。
誠がフリーライターとしてストリート系雑誌にコラムを書き始めたという設定も
コピーライター出身の著者らしくて納得と同時にシンパシー。
先にドラマを観たのであたりまえだけど誠には長瀬智也、
タカシには窪塚洋介をイメージして読んでいるけれど、それがまたシズル感たっぷりでいい感じ。
時代をキャッチして見事に消化し、気負いなど微塵も感じさせないスタイルで
鮮やかにリアルな作品として生み出す著者の才能には感服。
注釈なくバンバン出てくる固有名詞(ファッション用語、アーティストや作家、芸能人の名前、
クラシック音楽、現代風俗用語やちょっとした隠語)が全部わかる自分に
情けないけど安心したりも・・・
by gloriaxx | 2004-10-11 23:58 | ★4


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