対話篇 金城一紀 講談社 ★★

子供の頃から身近な人間が次々に死んでいくので「死神」と呼ばれ、他人との接触を避けて
孤独な人生を送る大学の同級生との短い交流を描いた「恋愛小説」

がんで入院し、短い余命を悟った主人公にはどうしても殺したい相手がいた。
彼を突然見舞った同級生Kがその殺人依頼をあっさり承諾する「永遠の円環」

動脈瘤の発作で倒れ、銀行を辞めた主人公のもとに不思議なアルバイト話がもちこまれる。
それは冤罪事件で勝訴した老弁護士と車に同乗して東京から鹿児島まで行くというものだった。
老弁護士と別れた妻の思い出を聞き、
旅をまっとうした主人公には生きる希望が戻ってくる「花」の3編。

これは著者の試行錯誤?過渡期?いかにも純文学である。
特に「永遠の円環」の友人の名前がKとは・・・教科書で読んだ夏目漱石を思いだした。
3編とも「死への恐怖と生き続けることへの虚しさ」が重苦しく漂っている。
「花」はまだ救いのある結末だが、あまりにも予定調和というか、
感動的であるはずのエピソードの数々も使い古された印象で
「なんで今さらこんな話を・・・」という感じ。
いろいろと込められた作品集なのだと思うが、私にはよさがわからなかった。
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by gloriaxx | 2004-10-12 17:42 | ★2


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